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Excelのポアソン分布:事象の回数の扱い方と、負の二項分布の使いどころ

ガイド · 2026年10月更新

ひとことで言うと:事象が平均の頻度で1件ずつ起きるとき、1週間、1か月、1年のあいだに何回起きるかを表します。

ポアソン分布は、1週間のクレーム件数や1か月の故障回数のように、既知の平均頻度で互いに独立に起きる事象について、一定期間内の回数を表します。決める数値は平均の1つだけです。クレームが平均して週に4件なら、1件もない週は1.8%、8件以上の週は5.1%の確率です。Excelには POISSON.DIST はありますが逆関数はなく、ランダムな回数は累積確率の小さな表から得ます。回数のばらつきがポアソン分布の想定より大きいときは、負の二項分布を使います。

ポアソン分布とは

事象が、一定の平均頻度で、1件ずつランダムに到着する様子を思い浮かべてください。電話、不良、クレーム、大規模な設備群の故障などです。1週間に入る件数は0、1、2…という整数で、その分布は平均の件数だけで決まります。平均は、週ごとのばらつきの大きさも決めます。標準偏差は平均の平方根で、週に4件のクレームなら2です。こうした事象の間隔は指数分布になり、ここでは平均1.75日です。

グラフの見方:棒は、シミュレーションした10,000週のうち、クレームがその件数だった週の割合、点はその理論上の確率です。棒と点は一致しています。

平均4のポアソン分布:引いた値と理論上の確率棒:xellstormが引いた10,000週のうち、クレームが0〜14件だった週の割合。点:ポアソン分布の理論上の確率で、3件と4件で最も高く、両側へ下がります。0510
1週間のクレーム件数、平均4のポアソン分布。棒:xellstormによる10,000回の引きの割合、点:理論上の確率。

最も起きやすいのは、クレームが3件か4件の週(それぞれ19.5%)です。P10は2、P90は7で、10週のうち少なくとも8週は、この間に収まります。

Excelでのポアソン分布

POISSON.DIST(k, mean, FALSE) はちょうどk回起きる確率を、TRUE にするとk回以下の確率を返します。=1-POISSON.DIST(7, 4, TRUE) は、8件以上になる確率の5.1%です。POISSON.INV はないので、ランダムな回数にはもう一手間かかります。Excelファイルは、Tablesシートに0〜99回の累積確率を並べ、そのうち乱数uを下回るものがいくつあるかを数えます。その数は、累積確率がuに届く最小のkで、まさにポアソン分布から引いた値です。1つのセルにまとめると =COUNTIF(Tables!B$3:B$102,"<"&RAND()) です。

Excelでのポアソン分布:Excelファイルの12行目。平均はD12
セル数式値
乱数 u(I12)=RAND()
引いた値(J12)=COUNTIF(Tables!B$3:B$102,"<"&I12)
1つのセルで引く=COUNTIF(Tables!B$3:B$102,"<"&RAND())
平均(K12)=D124
P10 (L12)=COUNTIF(Tables!B$3:B$102,"<"&0.1)2
P90 (M12)=COUNTIF(Tables!B$3:B$102,"<"&0.9)7
数値の確認:理論値と、Excelとxellstormがそれぞれ引いた10,000個の値の比較
1週間のクレーム件数、ポアソン分布:理論値と各10,000回の引き
理論値Excel(RAND())xellstorm
平均43.994.00
標準偏差21.982.00
P10222
P50(中央値)444
P90777

Excelは RAND() で完全にランダムに引きます。xellstormは範囲全体に均等に散らして引く(ラテンハイパーキューブサンプリング)ので、統計値が理論値に近くなります。

負の二項分布:回数のばらつきがポアソン分布の想定より大きいとき

実際の回数は、ポアソン分布より偏ることがよくあります。需要には忙しい月と静かな月があり、不良はまとまって出て、クレームは悪天候で増えます。履歴を確認してください。回数のばらつきがポアソン分布の想定よりずっと大きい(分散、つまり標準偏差の2乗が、平均より明らかに大きい)なら、ポアソン分布は静かな期間も忙しい期間も小さく見積もります。負の二項分布は、この余分なばらつきのために2つ目のパラメーターを加えます。平均は同じ4で、分散が8の場合です。

グラフの見方:線は、1週間に事象が0回、1回、2回、…起きる確率を結んだものです。負の二項分布は両端で高くなります。事象が1回もない週も、たくさん起きる週も、ポアソン分布より多くなります。

平均4が同じ、ポアソン分布と負の二項分布1週間に0〜16件起きる確率。ポアソン分布は3件と4件で山になり、幅が狭くなります。平均が同じ負の二項分布は、0件と1件で高くなり、右の裾が長くなります。051015ポアソン分布負の二項分布
平均は同じ週4件。負の二項分布(分散8)は、ポアソン分布(分散4)より、静かな週も忙しい週も多くなります。
平均が週4件のポアソン分布と負の二項分布:理論値
ポアソン分布負の二項分布
分散48
1件もない確率1.8%6.3%
8件以上の確率5.1%11.3%
P10 – P902 – 71 – 8
Excelでの負の二項分布:Excelファイルの13行目。成功数(n)はD13、確率(p)はF13
セル数式値
乱数 u(I13)=RAND()
引いた値(J13)=COUNTIF(Tables!C$3:C$102,"<"&I13)
1つのセルで引く=COUNTIF(Tables!C$3:C$102,"<"&RAND())
平均(K13)=D13*(1-F13)/F134
P10 (L13)=COUNTIF(Tables!C$3:C$102,"<"&0.1)1
P90 (M13)=COUNTIF(Tables!C$3:C$102,"<"&0.9)8

Excelでは、NEGBINOM.DIST(k, n, p, TRUE) が累積確率を返し、同じ表の方法で値を引けます。数式は =COUNTIF(Tables!C$3:C$102,"<"&RAND()) です。パラメーターはnとpです(教科書的には、n回目の成功までの失敗の回数)。平均と分散からは、p = 平均 / 分散、n = 平均² / (分散 − 平均) で、ここではp = 0.5、n = 4です。発注点の例では、このために月ごとの需要を負の二項分布から引いています。

ポアソン分布、負の二項分布、二項分布の使い分け

xellstormでポアソン分布を入力する

  1. セルを入力にして、「分布」ステップでポアソン分布を選び、平均を入力します。または、負の二項分布を選び、nとpを入力します。
  2. 過去の回数があれば、入力を選び、サイドパネルの「データから」を使います。整数のデータには、連続分布と並べてポアソン分布と負の二項分布を当てはめ、順位を付けます。回数のばらつきが平均を超えない場合は、負の二項分布を飛ばして、ポアソン分布を使うよう案内します。

アドイン向けのモデルは、RiskPoisson、VosePoisson、PsiPoisson と、RiskNegbin、VoseNegBin、PsiNegBinomial から変換できます。

よくある質問

Excelでポアソン乱数を作るには?

Excelにポアソン分布の逆関数はありません。列にk = 0, 1, 2, …を並べ、隣に POISSON.DIST(k, mean, TRUE) を置き、その累積確率のうち RAND() を下回るものの数を数えます。表がB3:B102にあれば、=COUNTIF(Tables!B$3:B$102,"<"&RAND()) です。最後の確率が表示桁数で1になるまで、表を長くしてください(平均が4なら30行で足ります)。

POISSON.DISTのTRUEとFALSEの違いは何ですか?

FALSE はちょうどk回起きる確率、TRUE はk回以下の確率を返します。平均が4の場合、ちょうど4回の確率は19.5%、8回以上の確率は、7回以下の累積確率を1から引いた5.1%です。

ポアソン分布と負の二項分布のどちらを使いますか?

回数の分散と平均を比べます。ほぼ同じならポアソン分布、明らかに大きければ負の二項分布で、2つ目のパラメーターがそのばらつきを捉えます。平均4で、分散8の負の二項分布なら、8件以上になる確率は11.3%で、ポアソン分布の5.1%を上回ります。

ポアソン分布の平均は小数でもよいですか?

はい。平均は平均頻度なので、月0.3回の故障のような値でも構いません。得られる回数は常に整数です。平均が1より小さければ、ほとんどが0で、ときどき1か2が出ます。

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